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不動産の相続と確定申告のための仕訳

妻の相続に伴い、妻がマンションを1室相続することになりました。また、その1室は賃貸に出しているため不動産所得が発生することになりますので確定申告が必要となります。

これまで不動産にはあまり食指が動かなかったこともあり、各種制度等についてノーマークでした。そのため目下のところ一緒になって必死に勉強している次第ですが、株や投資信託と比較して面倒なことこの上ない印象です。。(ちゃんと理解して正しく対応できている不動産所得者ってどれほどいるのか疑問になるほどです。)

今まで確認した備忘を残しておきます。

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不動産取得税
  • 法定相続人が相続した場合は掛からない(贈与、相続時精算課税制度では掛かる)
  • 取得額でなく経費扱い(仕訳:租税公課

 

相続登記費用
  • 司法書士報酬、登録免許税(固定資産評価額の0.4%)、実費(住民票、登記事項証明書等)が必要で概ね15万円前後か
  • 2005年の最高裁判決をきっかけに経費に認められるようになった(仕訳:租税公課

 

不動産購入時の仲介手数料、固定資産税精算金、印紙税
  • 取得価額に含め(土地と建物に合理的な方法(譲渡時における時価の比率により按分する等)で按分する必要あり)、建物分は減価償却費で経費に、土地分は譲渡時の取得費にする

 

敷金
  • 賃貸管理会社へ預けている場合は借方に敷金で計上しておく

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賃貸に出している場合は不動産所得に該当するため要確定申告

 <主な要件>

  • 青色申告(特別控除65万円):e-Tax複式簿記、事業規模(目安はマンション10室、戸建5棟)、開業届
  • 青色申告(特別控除55万円):複式簿記、事業規模(目安はマンション10室、戸建5棟)、開業届
  • 青色申告(特別控除10万円):簡易帳簿、開業届
  • 白色申告:簡易帳簿

  ⇒開業届を出して自営業としていると収入に係わらず保険組合の扶養要件に該当しなくなるケースがあるので要注意

  ⇒青色申告は相続により承継されないので最短2ヵ月以内に「青色申告承認申請書」の提出が必要

  ⇒青色申告(特別控除10万円)で低減できる税金は収入が少なければ所得税(5%)+住民税(10%)の1万5千円

  ⇒遺言により不動産の相続人が確定していない場合は、遺産分割協議が完了するまでは該当不動産から発生する収入・経費は共有財産扱いとなるため注意が必用。遺産分割協議の中で収入・経費についても分割協議対象に加えて処理するのが吉。

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固定資産税
  • 1月1日時点の所有者に課税され通知は4月~6月になされる
  • 支払いは一括または年4回(横浜市の場合、4月末、7月末、12月末、2月末が期限、4回に分割した際の千円未満の端数は1期に合算)となっている
  • 支払い方法は、窓口、ペイジー、クレジットカード、口座振替がある
  • 所得税上はその当年分を被相続人の経費にし、相続税上は債務として相続財産から控除可能(支払タイミングでそれぞれに分割計上も可)
  • 仕分としては賦課決定日(納税通知書受取日)に経費処理(一旦未払金処理して納付日に取崩す)する方法と、納付日に淡々と処理する方法どちらでも可(仕訳:租税公課

 

減価償却
  • 被相続人から取得価額、耐用年数、経過年数及び未償却残高を引き継いで減価償却費を計算する(償却方法は相続発生時に取得したものとして引継がれない)

   ⇒平成10年4月1日以後に取得した建物の償却方法については旧定額法(残存価額が10%)

   ⇒平成19年4月1日以後に取得した建物の償却方法については定額法(残存価額0円)

  • 月数の計算:準確定申告では亡くなった月まで、相続人の確定申告では相続発生月から計上でき、都合13ヵ月となってもそれぞれ一月に満たない端数は一月として計算することが定められている(所得税法施行令第132条第2項)ため、問題ない

 

火災保険料(2年契約)
  • 支払い時:当期分の費用と前払費用を計算してそれぞれ計上
  • 決算時:処理なし
  • 翌期首:「前払費用」から費用へ振替処理