三姉妹父さんのマネレッジ

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『世界幸福度ランキング上位13ヵ国を旅して分かったこと』を読んで(1/2)

こちらはオランダ系ドイツ人女性のマイケ・ファン・デン・ボームさんの著書。経済的には豊かとは言えないが様々な幸福度ランキングで上位の国々を実際に訪れ、現地の人々へのインタビューを通して幸福の源泉を探るという話。

私は「各国でもらう幸せのアドバイスをスーツケースに詰め込んで帰国しよう」と望んでいた。実際、旅した国々の大半では、幸せを感じる理由は同じだった。私のスーツケースは次第に「同じ理由」「同じいくつかの幸せの源」で一杯になっていった!

P.14

上記にあるような「同じ理由」「同じいくつかの幸せの源」のせいなのか、各章には分かれているものの同一人物の話がいったりきたりし、国ごとのまとまりもなく同じような話が入れ替わり立ち替わり出てくるため、決して読みやすいとは言えない文章となっています。

内容としてはドイツと各国との比較で語られているものの、ドイツと日本は歴史的にも結びつきが強いためか、各所で「ドイツ」と書かれているところを「日本」と読み替えても違和感なく読めてしまい、ある意味残念なところもあるのですが、その分「日本人」には示唆に富む話となっていると感じましたので、いくつかメモがてら引用しておきたいと思います。

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ちなみに、米調査会社ギャラップ社が世論調査したデータをもとにした世界幸福度ランキング2022では、ドイツは14位で、日本は54位となっており、悩みの深さはドイツ人の比ではないかもしれません、、

ただし何をやるにせよ、幸せになろうと常に思っていなければならない

P.39

「精神の健康は肉体の健康と同じです。トレーニングせずにマラソンで優勝することなど考えられません。同様に幸福になるには努力する必要があります。」

P.41

幸福という概念は意思とそこから生じる習慣だという示唆。自分は健康に気を遣うことがあっても、健康ほど幸福に気を遣えているでしょうか。

「もっと規則をしっかり定めなければダメだという言葉を耳にするが、もし規則を頑固に適用すれば、対立を避けるどころか対立を招いてしまうことになる。……文書に書かれていることをもとにして付き合えば、分別と信頼をもとにコミュニケーションすることはできなくなる。

P.64

他者への信頼が大切だという話。文書に書かれていることと言えば契約書などが思い当たりますが、経済性や効率性を求めるが故に貸し借りや恩といった概念が希薄化し、その結果、実際のトラブル時にはほとんど役に立たなさそうな契約書の作成やチェックに費やされる徒労感と、トラブル時における交渉の中で生じてしまう対立的感情の想起による負の側面を計測できれば違った世界感が見えるのかもと思います。

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「私の研究で判明したことは、幸福には基本的に二つの側面ー人間関係と自由時間ーがあり、GNP(国民総生産)とは無関係だということです。」

P.85

「成功を収めたというのは、よき友人を持つこと、わが子を大切にすること、幸せな結婚生活を送ること、隣人を手助けすることだ」

P.92

少なくとも日本において、もてはやされる「成功者」と言えば「経済的成功者」や「職業的成功者」がもっぱらな気がしますが、「幸福的成功者」かどうかという観点で照らし合わせてみると一致しないケースが多い気もします。

デンマークでは、仕事でストレスを感じないことが重視されています。子どもたちも幼稚園や学校で何かを強制されないことが重視されていますし、家庭内でも同様です」

P.94

子どもたちに対し、ストレスとなることを強制し過ぎていないか振り返る必要がありそうです。

フィンランド育ちの私にしてみれば、幸せは社会を信頼することと関係がある。人付き合いがとても緩やかなこの社会では、学校に通うようになるとすぐにヒエラルキーは避けるようにと教えられた。それはその後の仕事の世界でも続いた。たぶんどこでもそうだったと思う。年齢が異なろうと、職業や社会的なステータスが異なろうと、人間同士の間に厳しい区別はない。フィンランドでは人間関係も複雑じゃない。それが人付き合いに影響している。お互いの間にあまり区切りがないんだ」

P.147

従業員がストレスを感じるのは、自分が担当する仕事の内容と流れに自分自身がほとんど影響を与えることができない場合であり、しかも序列の中で苦労して一定の地位を得なければならない場合なのだ。

P.148

少なくとも大きな企業ではまさにヒエラルキーだらけで、この種のストレスが満載であることは間違いないというのが実感です。昨今では学校においてもカーストという言葉が使われるような時代です。こういいた教育が重要になってくる気がします。